ちり紙・鼻紙考

ちり紙,鼻紙,懐かしい響きです。なにそれ?という世代の人も多いでしょう。今はもうどの世代でも「ティッシュ」という言葉しか使いません。

新しい世代に人に説明させていただくと,

ティッシュは箱やパッケージに入っていて,1つのユニットが基本2枚の紙で構成されています。一方ちり紙はパッケージ化されていない独立した1枚の紙で払拭性はティッシュより劣ります。記憶に乏しいのですが確かサイズはB5くらいで,折りたたんで持ち歩く必要がありました。

さらに昔話にお付き合いください。

今と同様に小中学生は所持が指導されていましたが,男子について言えばちょいワルレベル以下では持ち歩かないのが普通で,じゃどうするかというと借ります。それも女子から。女子のちり紙はちょっとオシャレでピンクの絵柄がついて甘い匂いがしました。男子はそういうのに興味があるのですが,単にちり紙嗅がせろではビョーキだと思われてしまうので,鼻をかむという理由をつけて女子と接触したり道具に触れるのを試みたわけです。ただ女子の方にもちり紙を貸す相手を選ぶ権利はあるわけで,そこに一人の男子の人気や人望を読み取れることもありました。ちり紙をめぐる駆け引き,懐かしいです。

今や生活の中で欠かすことのできなくなったティッシュですが,あるサイトでは日本と欧米の鼻かみ文化の違いが述べられていました。確かに観光地で外国人が大きな音を出しながらハンカチで鼻をかんでいる姿をみることがあるし,スポーツの場面で白人選手が手鼻をかむのを見ることもあって,鼻をかむことに対する意識が日本とは違うことは感じていました。

そこにはアメリカ人は日本人ほどティッシュは使わずキッチンペーパーで鼻をかんでいるなんて書いていて,へえなどと驚いたのですが,真偽のほどをアメリカの友人に尋ねてみることにしました。

まずユタ州の友人に尋ねたところ,キッチンペーパーで鼻をかむなんてと一笑。日本のティッシュペーパーは柔らかくて街頭配布や百均ショップのものでもアメリカのものより高品質だということでした。

さらにフロリダ州の友人は,やはりキッチンペーパーで鼻をかむような人はおらず,手鼻をかむ人も殆どいない,ハンカチで鼻をかむのも高齢者だけ。ティッシュペーパーは日本製が柔らかくて高品質,アメリカのは丈夫だが価格は高め(クリネックス160組4箱で¥660ほど),さらに香りつきは匂いが強烈で目に染みるほどだといいます。

このような国際比較もなかなか興味深いものです。最後に,フロリダの友人も言っていましたが「鼻すすり」は欧米人に強く嫌われますので気をつけてください。(写真は拙宅,ラムズイヤーで集蜜するミツバチ)